税理士の報酬相場の歴史
税理士の報酬相場はこの10年あまりの間に大きく変化しました。それは、税理士というマーケットの成熟とも考えられます。その変化の歴史を簡単に振り返ります。
税理士の報酬規程
かつて税理士の報酬相場は税理士会の定める「報酬規程」というものにより固定されていました。「報酬規程」は、顧客の売上高や資本金などをもとに一律に顧問料を決定しており、税理士が提供するサービスの内容は、顧問料を決定するうえで、最も重要な要素とされておりませんでした。推測でしかございませんが、この背景には、税理士の提供する顧問業務サービスの質は税理士によって差が無いと考えられていたものと思われます。
税理士の報酬規程の廃止
その後、平成14年4月に「報酬規程」が廃止され、税理士はそれぞれ自由に価格を設定することができるようになりました。これを受けて、低価格路線を打ち出す事務所が増加したように思われます。さらに、インターネットの普及を背景に、低価格を前面に押し出してインターネットをマーケティング手段とする税理士事務所が急増しました。
しかしながら、サービス業である以上、低価格のサービスにはそれなりの人件費しかかけることができず、低価格の税務顧問サービスの品質は”安かろう悪かろうである”という話が徐々に聞こえてくるようになりました。
長らく「報酬規程」により顧問料が決定される時代が続いたため、顧問報酬は資本金などにより決定され、顧問サービスの質や内容について顧客と税理士で話し合われる土壌が形成されていなかったと思われます。しかしながら、低価格で質を下げた税務顧問サービスが多くなったことで、税理士報酬は低く抑えられた一方で、基本的な節税策が実行されていなかったり、適切な帳簿の作成がなされていないケースも伝え聞くようになりました。
今後の動向
現在は、報酬金額とサービスの質を明確にクライアントに説明することが求められています。現在でもかつての「報酬規程」に沿った顧問料を提示する一方で、提供されるサービスの質の説明を行わない事務所、極端な低価格の顧問料を提示する一方で、サービスの質の説明をしない事務所は多く存在するような印象を受けます。
税理士に仕事を依頼する際には、税理士報酬についての大まかな相場観(>>税理士報酬の相場はこちら)を持った上で、税理士と協議して支払う税理士報酬と求めるサービスの質を明確にすることが大事と思います。これは、結果的に無駄な税金や割高な税理士報酬を支払わず、税理士報酬を低く抑えるために最も重要なことだと考えます。
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