短期前払費用と消費税率アップ時の処理

2014-03-07

オーソドックスな決算対策として利用されることが多い短期前払費用の特例(法人税基本通達2-2-14)ですが、今年の3月決算で利用する場合には、少し注意が必要です。

 

なぜなら、4月から消費税率が8%にアップするからです。

 

短期前払費用の特例は、一定の要件を満たすことにより、支払日から1年以内に役務提供を受ける前払費用をまとめて支払時に損金算入できる特例です。法人税においてこの適用を受ける場合、消費税の計算においても、支出日において全額を仕入税額控除します。(消費税法基本通達11-3-8)

 

ですが、平成26年3月(消費税率5%)と平成26年4月(消費税率8%)をまたぐ期間の短期前払費用の場合、法人税の取扱いは変わりませんが、消費税の取扱いに注意が必要です。

 

このような短期前払費用の場合、消費税率が5%の部分と8%の部分が混在しているため、次のいずれかの方法で処理する必要があります。

(平成26年1月国税庁消費税室公表「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A」問9)

 

①支出時に消費税込の金額に対して5%の税率で仕入税額控除し、翌期において8%が適用される部分について修正する。

例えば、平成26年3月分の家賃を200,000円+5%消費税10,000円=210,000円、平成26年4月から平成27年2月分の家賃を(200,000円+8%消費税16,000円)×11ヶ月=2,376,000円、合計で2,586,000円を短期前払費用として支払っている場合、次のようになります。

(平成26年3月決算)

2,586,000円×5/105=123,142円を仕入税額控除します。

(平成27年3月決算)

2,376,000円×5/105=113,142円は返還があったものとしたうえで、2,376,000円×8/108=176,000円を仕入税額控除します。

 

②平成26年3月決算では税率5%部分のみ仕入税額控除し、税率8%部分は翌期に仕入税額控除する。

上記①の数値例ですと、次のようになります。

(平成26年3月決算)

210,000円×5/105=10,000円を仕入税額控除します。

(平成27年3月決算)

2,376,000円×8/108=176,000円を仕入税額控除します。

 

上記はあくまでも消費税の処理です。消費税についていずれの方法をとるかにかかわらず、法人税での短期前払費用の特例は適用できますので、ご注意ください。

 

お問い合わせ

Copyright(c) 2014 会社設立・顧問税理士のマネージポート税理士法人 All Rights Reserved.