各種手当や福利厚生による節税

2014-09-24

Q

私は中小企業のオーナーなのですが、従業員にとっての働きやすさを向上したいと考え、社内の福利厚生を充実しようと考えております。

その際に、節税面からも効果的な福利厚生な福利厚生があると聞いたのですが、教えてもらえますか

 

A

福利厚生と結びついた節税策として一般的なものは下記の項目がございます。

 

1.出張手当

2.慶弔手当

3.社宅手当

4.慰安旅行

 

1.出張手当ですが、これは業務に要した交通費・宿泊費とは別に日当支給することが可能で、この日当は従業員側では所得税が課されず、支給した会社側では経費として計上することが可能であり、この点で節税メリットがあります。当然ながら役員を対象として日当を支給することも可能です。

 

2.慶弔手当ですが、これは役員や従業員の様々なシーンに応じて支給事由を定めていることが一般的でして、例えば次のような慶弔手当があります。

 

①     死亡弔慰金

②     傷病見舞金

③     結婚祝い金

④     出産祝い金

⑤     災害見舞金

 

これらの慶弔見舞金は、役員・従業員のみならずその親族を対象として支給することも多いかと存じます。

特に、役員に対する節税策としてこれらの慶弔見舞金を活用するケースが多いです。

 

3.社宅手当ですが、こちらも役員・従業員の負担する家賃の一定金額を節税することができます。借りている物件にもよりますが、家賃のうち50%~80%程度は経費として節税することできる場合が多くかと存じます。

 

なお、詳しくはこちらに記載しておりますので、ご参照ください。>>社宅による節税はこちら

 

4.慰安旅行による節税ですが、こちらも経費として認められる福利厚生と考えます。ただ、一般的な注意点として次のような内容がございます。

 

①     一般的な旅行であること

②     日数が4泊5日以内であること

③     旅行に参加する人数がその拠点の50%以上であること

 

上記では、福利厚生と関連した節税についてご説明いたしましたが、これらに共通するポイントは次の2点です。

 

①     社内規定で明文化すること

②     金額が妥当であること

 

つまり、これらの福利厚生は節税を密接に結びついていることからも、恣意的な判断で行うのではなく、社内規定で明文化しておくことが必要なのです。

また、金額があまりにも高額すぎる場合も注意が必要です。例えば出張手当を例にとりますと、役員と従業員で出張手当の金額に差を設けることは一般的には認められると考えますが、その差があまりにも大きくて、例えば従業員の出張手当が3,000円/1日であるのに対し、役員の出張手当が50,000円/1日と差があると、問題視される可能性があると考えます。

 

これらの福利厚生は、従業員のモチベーションアップに資すると同時に会社の節税策としても機能しますので、適切な社内規定を設けた、金額設定に留意して、これらの福利厚生を活用されることをお勧めします。

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