Archive for the ‘税制改正’ Category

平成25年度税制改正、平成26年度税制改正 所得拡大促進税制による節税

2014-05-07

平成25年税制改正にて、消費喚起を図るため、従業員に対する給与増加を目的として所得拡大促進税制が3年間の時限措置として設けされております。

 

今般、平成26年度税制改正にて、所得拡大促進税制の適用要件が緩和され、適用期間も延長されております。さらに、平成26年3月期で、平成25年度税制改正の要件を満たさないものの平成26年度税制改正における同税制の要件を充足する場合には、平成26年3月期の税額控除相当額を平成27年3月期に上乗せして税額控除を受けることができるものとされている。

 

なお、税額控除額であるが、中小企業等の場合は法人税額の20%を限度として税額控除を受けることが可能となり、中小企業等以外の場合には、法人税額の10%を限度として税額控除を受けることが可能となっております。

 

主な適用要件を3月決算の会社を例に解説します。

 

まず、平成26年3月決算ですが、同決算において下記の全ての要件を充足する必要があります。

 

  1. 雇用者給与等支給増加額 ≧ 基準雇用者給与等支給額×5%
  2. 雇用者給与等支給額 ≧ 比較雇用者給与等支給額
  3. 平均給与等支給額 ≧ 比較平均給与等支給額

 

仮に、上記要件を平成26年3月期決算において充足しておらず、例えば1の増加額が4%であった場合には、本来は同税制の適用を受けることができないこととなりますが、1の要件は、平成26年度税制改正において2%*に緩和されているため、平成26年3月決算の税額控除相当額は、平成27年3月期に上乗せして適用を受けることが可能となります。

 

*平成25年度、26年度は2%、平成27年度は3%、平成28年度、29年度は5%

 

なお、所得拡大促進税制の具体的な適用をご検討されている場合には、無料相談を実施させていただきますので、弊社担当者までお気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせ

さらに、現在、顧問税理士の乗換キャンペーンを実施しており、お得な割引を設けておりますので、ご興味がある方は↓をご覧ください。

henkoucp265

 

平成26年度 個人住民税の増税

2014-04-30

東京都は、平成26年度から個人住民税が改正され、1,000円の増加となっております。

 

これは、「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」の制定に伴い、都民税・区市町村民税の均等割額にそれぞれ500円が加算されるもので、平成26年度から35年度までの10年間の時限措置となります。

 

この増税分の使いみちですが、東日本大震災からの復旧・復興事業予算19 兆円程度のうち、全国の地方団体で行われることが予定されている緊急防災・減災事業の地方負担分等(0.8 兆円程度(推計)については、地方税において復旧・復興のための臨時的な税制上の措置を講じることで、地方団体自ら財源を確保することとされており、この財源とされます。

 

お問い合わせ

さらに、現在、顧問税理士の乗換キャンペーンを実施しており、お得な割引を設けておりますので、ご興味がある方は↓をご覧ください。

henkoucp265

復興法人特別税が1年前倒しで廃止されました

2014-04-27

東日本大震災からの復興のための財源を目的とした復興法人特別税が一年前倒しで廃止されました。当初は、平成27年3月31日までに開始する事業年度まで課される予定でしたが、平成26年4月1日以降に開始する事業年度からは、復興法人特別税が課されないこととなりました。

 

また、同じく東日本大震災からの復興のための財源を目的とした復興特別所得税は平成49年まで継続されます(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法33条9条)。

なお、利子や配当等に課され源泉徴収された復興特別所得税は、所得税とみなし、申告時に法人税から控除することが可能となっております(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法33条②)。

 

新年度を迎えて、短期・中期経営計画などの事業計画の策定やタックスプランニングを行っている企業様も多いかと思われますので、税率の変更についてはご留意ください。

 

お問い合わせ

さらに、現在、顧問税理士の乗換キャンペーンを実施しており、お得な割引を設けておりますので、ご興味がある方は↓をご覧ください。

henkoucp265

政府税調が外形標準課税の拡大を検討中

2014-04-25

政府税制調査会が外形標準課税を拡大するか否か検討を行っている。

 

これは、現在の外形標準課税が資本金1億円超の企業(全法人の1%) だけを対象としており、行政サービス費用を広く分担するために、対象を広げるべきとの方向性で検討されているものである。

 

2014年4月25日現在では、内閣府の税制調査会のHPに議事録がアップされていないため、詳細な議論の経過は不明であるが、日本経済新聞(2014年4月25日)によると、現在外形標準課税の対象企業となる資本金1億円超というハードルの引き下げなどを検討している模様である。

 

一方で、反対する意見もある模様で、外形標準課税が拡大されると、従業員の賃上への影響を懸念する声もある模様である。これは、外形標準課税が資本金や従業員給料を課税標準としており、賃上げによって外形標準課税による税負担が増加するためである。

 

仮に外形標準課税の課税拡大が実施されれば、中小企業への影響は避けられない見通しで、対応策の検討が必要と思われます。

 

今後、6月に一定の方向性を纏めることを目指しているとのことである。

 

 

参考

政府税制調査会 第4回 法人課税ディスカッショングループ(2014年4月24日)資料一覧

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion3/2014/26dis34kai.html

日本経済新聞 2014年4月25日付 第5面

 

お問い合わせ

政府税調が減価償却制度を定額法へ一本化する方向で検討中

2014-04-24

政府税制調査会が減価償却制度を定額法へ一本化するか否か検討を行っており、6月に一定法の方向性を纏めることを目指しているとのことである。

 

減価償却制度は、大きく分けて定額法と定率法が一般的ですが、

 

u  定率法は早期に減価償却費を計上できることから、その時々の損益状況に応じた節税効果の観点から選択される場合が少なくなく、こうした状況は是正されるべきではないか

 

u  政策税制と異なり、適用設備に要件が課されているわけではないため、非効率な投資も助長する結果となっている

 

との見解が示されている。この背景には、定額法の採用が多い国際的な動向を睨んだ検討とも考えられる。

 

定率法の利用は、節税にも大きく影響する内容であるため、今後の動向に注視が必要と思われます。

 

参考

政府税制調査会 第3回 法人課税ディスカッショングループ(2014年4月14日)資料一覧

http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/discussion3/2014/26dis33kai.html

経営財務 3160号 2014年04月21日「減価償却方法は定額法一本化へ」

 

お問い合わせ

耐震改修促進法の改正と耐震改修促進税制の創設

2014-04-14

建築物の耐震改修の促進に関する法律(以下「耐震改修促進法」という)の改正法が平成25年11月25日に施行された。

 

改正後の耐震改修促進法では、不特定多数の者が利用する建築物等のうち一定規模以上のものについて、平成27年12月31日を期限として、耐震診断の実施およびその結果の報告が義務付けられた。該当する建築物と期限は概要下記の通りである。

 

要緊急安全確認大規模建築物

建築物

期限

不特定多数の者が利用する建築物(大規模な病院、店舗、旅館等) 平成27年12月31日まで
 避難弱者が利用する建築物(大規模な学校、老人ホーム等)
 一定量以上の危険物を取り扱う貯蔵場、処理場のうち大規模なもの

 

要安全確認計画記載建築物

建築物

期限

緊急輸送道路等の避難路沿道建築物のうち、都道府県または市町村が指定する建築物 都道府県または市町村が定める日まで
都道府県が指定する庁舎、避難所等の防災拠点建築物

 

かかる耐震改修促進の改正に対応して、平成26年度税制改正において耐震改修投資促進税制が創設されている。これは、耐震改修促進法の耐震診断結果の報告を行った事業者が、当該建築物の耐震改修を行った場合に、その取得価額の25%の特別償却を行うことができるものである。

さらに、固定資産税でも所要の措置が講じられており、政府の補助を受けて平成26年4月1日から29年3月31日までに一定の耐震基準を満たす耐震改修工事をした場合に,その旨を市町村に申告したものに限り,工事完了年の翌年度分から2年間は固定資産税額を2分の1に減額されることとなります。

なお、法人税法の特別償却と固定資産税(地方税法)の減額措置は、適用要件が異なっており、それぞれの適用を受けようとする場合には、適用要件の充足に留意が必要となりますので、ご注意ください。

 

詳細は、弊社までお問い合わせください。

 

お問い合わせ

交際費を損金算入しましょう

2014-04-07

交際費を損金算入できる場合について、整理しましょう。

麻生財務相の後押し?もあり、平成26年度の税制改正で交際費の損金算入が緩和されました。改正された内容は、次のとおりです。

 

●中小企業(資本金1億円以下)と大企業(資本金1億円超)に共通する改正

・内容

交際費等のうち飲食費については、その50%を損金算入できます。金額の上限はありません。

・適用時期

平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度に適用されます。

 

●中小企業(資本金1億円以下)だけに適用される改正

・内容

交際費等について、年間800万円まで損金算入できます。(昨年の改正から引続きです。)

・適用時期

2年間延長され、平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度に適用されます。

 

上記により、中小企業(資本金1億円以下)においては、平成26年4月1日以降に開始する事業年度について、次のように交際費特例の適用を選択できます。

 

●中小企業(資本金1億円以下)における特例の選択肢

次の①か②を選択し、③は①及び②とは別に適用できます。

①    交際費等について、年間800万円まで損金算入

②    交際費等のうち飲食費について、その50%を損金算入

③    1人当り5,000円以下の飲食費は、全額損金算入

 

(参考)

●大企業(資本金1億円超)の場合

上記の②と③が適用されます。

 

従って、飲食交際費の額が年間1,600万円を超える場合には、①ではなく②を選択したほうが有利となります。交際費を有効に損金算入できるように、自社の交際費の支出内容を一度見直してみてはいかがでしょうか。

なお、②及び③を適用するためには、参加者の氏名や人数等を記録するなど、一定の要件を満たす必要があります。また、社内飲食費は適用対象になりませんので、ご留意ください。

 

お問い合わせ

消費税増税と印紙税

2014-03-31

2014年4月1日からの消費税率の引上げに伴い、印紙税に注意が必要である。

 

例えば、税率変更に伴い、請負契約書等の契約金額を引き上げるための変更契約書を作成する場合には、この変更契約書に印紙が必要となる場合があります。

 

これは、印紙税法において契約書の重要な事項を変更する契約書には印紙税が課せられ、重要な事項は印紙税法基本通達別表2に例示されており、この重要な事項を変更する契約書に該当する場合があると考えられるからです。

 

例えば請負契約であれば、下記の内容および下記の内容と密接に関連する事項が重要な事項に該当するとされ、このうち消費税の取扱の変更は、(3)契約金額と密接に関連する事項に含まれると考えられるため、変更契約書は印紙税が必要となると考えられます。

 

(1) 運送又は請負の内容(方法を含む。)

(2) 運送又は請負の期日又は期限

(3) 契約金額

(4) 取扱数量

(5) 単価

(6) 契約金額の支払方法又は支払期日

(7) 割戻金等の計算方法又は支払方法

(8) 契約期間

(9) 契約に付される停止条件又は解除条件

(10) 債務不履行の場合の損害賠償の方法

 

 

なお、非課税となる場合もありますので、詳細はお気軽にお問い合わせください。

 

(参考文献:税務研究会 税務通信3302号 2014年03月10日)

 

お問い合わせ

平成26年度の税制改正で、中小企業の特別償却・税額控除が拡充されました

2014-03-30

平成26年度の税制改正関連法が、3月20日の参議院本会議で可決成立しました。

資本金1億円以下の中小企業は、これまでも、機械装置・事務機器・ソフトウェア等で一定要件を満たす減価償却資産を取得した場合に、特別償却や税額控除を受けることができました。この制度を利用されたことがある方も多いと思います。中小企業庁の資料によると、年間3万7千もの中小企業等で利用されているようです。

この制度について、次のように金額が上乗せされました。平成26年1月20日から平成29年3月31日までの間に取得かつ事業供用したものが適用対象となります。

 

対象事業者

大きく次の2通りに分かれます。

1.資本金3,000万円以下の特定中小企業者等

①特別償却 ⇒ 取得価額の30%相当額→取得価額の全額を償却できる、即時償却に

②税額控除 ⇒ 取得価額の7%相当額→取得価額の10%相当額に

 

2.資本金3,000万円超1億円以下の中小企業者等

①特別償却 ⇒ 取得価額の30%相当額→取得価額の全額を償却できる、即時償却に

②税額控除 ⇒ 制度なし→取得価額の7%相当額に

 

ただし、全ての資産に上記の上乗せが適用されるのではなく、「先端設備」に該当するものと、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」に該当するものについて、上乗せが適用されます。それぞれの要件は、次のとおりです。

 

先端設備

○機械装置

・最新モデル(NC旋盤などソフトウエアが組み込まれた機械は一代前モデルも含む。)、かつ、年平均1%以上の生産性向上要件を満たす、単品160万円以上のもの

 

○サーバー(サーバー用OSを同時に取得するもの)

・最新モデル、かつ、年平均1%以上の生産性向上要件を満たす、単品120万円以上または複数合計で120万円以上かつ単品30万円以上のもの

 

○試験又は測定機器

・最新モデル、かつ、年平均1%以上の生産性向上要件を満たす、単品120万円以上または複数合計で120万円以上かつ単品30万円以上のもの

 

○ソフトウエア

・設備の稼働状況等の情報収集・分析・指示機能を持つ、単品70万円以上または複数合計で70万円以上かつ単品30万円以上のもの

なお、最新モデル要件・生産性向上要件は、設備メーカーが工業会等から証明書をとることになっています。また、ソフトウエアが設備の稼働状況等の情報収集・分析・指示機能を持つかどうかは、ソフトウエアを提供するベンダー側で、工業会等の証明書をとることになっています。

 

生産ラインやオペレーションの改善に資する設備

これは、生産ラインやオペレーションの改善に資する設備(投資計画を作成し、投資利益率が5%以上であることについて地方経済産業局の確認を受けた投資計画に記載されたもの)とされます。

なお、投資計画は、税理士等の確認を受けて作成することが必要となります。また、投資利益率の計算は、「(営業利益+減価償却費)の増加額÷設備投資額」の式で算出されます。

投資計画に記載された次の資産が、上乗せの対象となります。

・機械装置(単品160万円以上)

・測定工具・検査工具(単品120万円以上または複数合計で120万円以上かつ単品30万円以上)

・電子計算機(単品120万円以上または複数合計で120万円以上かつ単品30万円以上)

・デジタル複合機(単品120万円以上)

・試験又は測定機器(単品120万円以上または複数合計で120万円以上かつ単品30万円以上)

・ソフトウエア(単品70万円以上または複数合計で70万円以上かつ単品30万円以上)

 

 >>その他の税制改正についてはこちら

>>節税全般についてはこちら 

 >>トップページへ戻る

 

なお、弊社では現在、顧問税理士の乗換キャンペーンを実施しており、お得な割引を設けておりますので、ご興味がある方は↓をご覧ください。

henkoucp265

 

短期前払費用と消費税率アップ時の処理

2014-03-07

オーソドックスな決算対策として利用されることが多い短期前払費用の特例(法人税基本通達2-2-14)ですが、今年の3月決算で利用する場合には、少し注意が必要です。

 

なぜなら、4月から消費税率が8%にアップするからです。

 

短期前払費用の特例は、一定の要件を満たすことにより、支払日から1年以内に役務提供を受ける前払費用をまとめて支払時に損金算入できる特例です。法人税においてこの適用を受ける場合、消費税の計算においても、支出日において全額を仕入税額控除します。(消費税法基本通達11-3-8)

 

ですが、平成26年3月(消費税率5%)と平成26年4月(消費税率8%)をまたぐ期間の短期前払費用の場合、法人税の取扱いは変わりませんが、消費税の取扱いに注意が必要です。

 

このような短期前払費用の場合、消費税率が5%の部分と8%の部分が混在しているため、次のいずれかの方法で処理する必要があります。

(平成26年1月国税庁消費税室公表「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A」問9)

 

①支出時に消費税込の金額に対して5%の税率で仕入税額控除し、翌期において8%が適用される部分について修正する。

例えば、平成26年3月分の家賃を200,000円+5%消費税10,000円=210,000円、平成26年4月から平成27年2月分の家賃を(200,000円+8%消費税16,000円)×11ヶ月=2,376,000円、合計で2,586,000円を短期前払費用として支払っている場合、次のようになります。

(平成26年3月決算)

2,586,000円×5/105=123,142円を仕入税額控除します。

(平成27年3月決算)

2,376,000円×5/105=113,142円は返還があったものとしたうえで、2,376,000円×8/108=176,000円を仕入税額控除します。

 

②平成26年3月決算では税率5%部分のみ仕入税額控除し、税率8%部分は翌期に仕入税額控除する。

上記①の数値例ですと、次のようになります。

(平成26年3月決算)

210,000円×5/105=10,000円を仕入税額控除します。

(平成27年3月決算)

2,376,000円×8/108=176,000円を仕入税額控除します。

 

上記はあくまでも消費税の処理です。消費税についていずれの方法をとるかにかかわらず、法人税での短期前払費用の特例は適用できますので、ご注意ください。

 

お問い合わせ

Newer Entries »
Copyright(c) 2014 会社設立・顧問税理士のマネージポート税理士法人 All Rights Reserved.